トップガン マーヴェリック / TOP GUN MAVERICK

約36年の時を経た続編としてついに公開された『トップガン マーヴェリック』新型コロナにより公開が危ぶまれたが、トム・クルーズの映画人としての執念が全世界公開を可能とし歴史的大ヒットになっている。コロナ禍の最中、世界中のネット配信サービスを手掛ける大手企業からオファーがあったが、トム・クルーズは映画館で公開する事を頑として譲らなかったそう。

あらすじ
アメリカ海軍エリートパイロットチーム“トップガン”史上最高の腕を持つ伝説のパイロットであるコールサイン“マーヴェリック”(トム・クルーズ)。彼は極超音速機ダークスターのテストパイロットを務めていた。世界最速マッハ10へ挑戦し成功するが更に加速を続けた結果、機体を空中分解させてしまう。奇跡的に生還したマーヴェリックはノースアイランド海軍航空基地行きを命じられる。ある超難解で危険なミッションを成功させる為に教官に任命される。そしてトップガンを卒業したエリートの若者たち12人を訓練し出撃させるというもの。その中には前作で訓練中に事故で亡くなったかつての相棒グースの息子であるルースター(マイルズ・テラー)もいた...。

パイロット達の実力を見るため初日から空中戦を行うマーヴェリック。しかし、最新の戦闘機とエリートのトップガン達でも誰一人マーヴェリックに敵いません。今回のミッションは、険しい山々に囲まれて迎撃ミサイルシステムが張り巡らされた先にある核開発プラントを爆破し、機体を一気に上昇させ重力に耐えて脱出した後に、敵の第5世代戦闘機との空中戦が待っているという生還の可能性が極めてゼロに近い任務。これを可能にするカギは短時間の低空飛行と重力だった。

訓練飛行では、想像を絶する重力に耐えきれず気絶するパイロットが出たり、機体を墜落させてしまったりと散々。更に、闘病していたアイスマンが亡くなり後ろ盾を無くしたマーヴェリックはサイクロン中佐より解任されてしまう。マーヴェリックに代わったサイクロン中佐の作戦は、敵のレーダーが感知する高度を真っ向から進み、ミサイルの包囲網と敵機の攻撃の中を走行し目標物を爆破するというもので、それはパイロット達の命と引き換えに任務を遂行する事を意味しておりチームに緊張が走る。するとそこへ、予定に無いテスト飛行の情報が舞い込んできた。上官やトップガン達が見守る中マーヴェリックが操縦するF18戦闘機は低空飛行をこなし重力に耐え見事に成功させてみせた。

ついに作戦決行の日がやってきた。マーヴェリックは編隊長として先頭を飛び、残る3機にはフェニックスとボブ、そしてルースターを選出する。マーヴェリック達は見事ミサイルを命中させ核兵器プラントの破壊に成功。しかし、ルースターの周りを敵機が囲み戦闘に。敵機からの攻撃をかわしていたが次第に劣勢になってゆくルースター。撃墜の危機の瞬間マーヴェリックが盾となりミサイルを受けてしまい墜落。マーヴェリックはパラシュート脱出で生きていたものの、敵ヘリに狙われ絶体絶命に。次の瞬間敵ヘリにミサイルがぶち込まれ爆破。助けたのはルースターだったが、そのルースターもまた迎撃ミサイルに撃墜されてしまう。奇跡的に生きていた二人は敵地へ潜入し、格納されていた古いF14戦闘機に乗り込んで脱出したが。敵の第5世代戦闘機に見つかり激しい空中戦に。機体能力で勝てる筈もなかったがパイロットのウデで何とか切り抜けようとする。しかし弾切れになり死を覚悟した瞬間、敵機が爆撃され粉々に。助けに来たのはハングマンだった。

無事帰還する事ができたトップガンたち。マーヴェリックの「君は命の恩人だ」の言葉にルースターは「親父の代わりです」と返しました。


感想
先ず、映画を観た人の多くが「ペニーって誰だっけ?」となると思う。実は、ペニー・ベンジャミンは前作に登場していた。前作の冒頭、マーヴェリックがグースと共に上官スティンガーから呼び出されるシーンで、マーヴェリックはスティンガーに「管制塔をかすめ飛ぶ事5回、さらに低空飛行で脅かした相手が司令官のお嬢さんときた」と叱責される。するとグースは「ペニーか?」とマーヴェリックの耳元でささやくシーンがある。また、グースの妻キャロル(メグ・ライアン)が「あなたペニー・ベンジャミンにすごかったんですって?みんな聞いた。他の子の事も全部聞いている」とマーヴェリックをひじで小突くシーンがある。名前だけの登場人物だったが今作ではメインキャラクターへという粋な演出にニヤリとさせられる。それにしてもすごい美人だ。

ペニー・ベンジャミン(ジェニファー・コネリー)は、海軍基地に近い海岸でバーを経営しながら娘を育てるシングルマザー。マーヴェリックとは若い頃、恋愛関係になった事があり、何度かくっついたり離れたりを繰り返したらしい。ジェニファー・コネリーはペニーの人柄について「エリート船乗りでもある彼女はレースと美を愛しているけれど、地域社会と家族に安らぎを見出しているの。ペニーとマーヴェリックは若いころに短い恋愛をした事があり、何度か関係が再燃した事もある。いつも円満に終わるけれど、何度も別れを経験しているから、彼女はもう二度と巻き込まれまいと決意している。一方で、初めて二人が、ついにお互いの人生に適したタイミングで再び現れたのではないか、と感じているの」と説明している。


サプライズといえば、前作でマーヴェリックの好敵手だったアイスマン(バル・キルマー)が咽頭ガンで闘病中の司令官として再登場。実際のバル・キルマーも2017年に喉頭がんで闘病している事を公表している。そして、以前のような発声が困難となっていたがトムが出演を強く望みバルも同様だった為、アイスマンも咽頭ガンを患っている設定に。

トムは「僕はこの映画でマーヴェリックとアイスマンの関係性を発展させたかった。そしてもう一度バルと仕事する事がとても特別だった。彼と一緒に座っているだけで胸がいっぱいだった」と振り返る。バルは「ほとんどのテイク後に僕らは子供の様に笑い合った。僕らは何年も会っていなかったがあっという間に時間を取り戻せた事は驚きだった。そして僕らのキャラクターが友人同士になれたという幸福感もあってか、僕らはとにかく活気に満ちていた」と語った。

アイスマンは劇中で二言ほど肉声を発する。キルマーは発声が困難な状態だが、これは人工知能がキルマーの音声モデルを基に生成したものだそう。キルマーも「忠実で馴染みのある声で語る機会を与えられたのは最高の贈り物」とそのクオリティを絶賛している。

最後に、作中終盤、マーヴェリックが操縦席に座り“誰も成し遂げたことのない任務”に乗り出そうとした場面で「さあ行くぞ、最後のフライトだ」と飛行機にささやく。何か意味ありげな台詞だが、これについてトムは笑いながらこう答えた。「観る人それぞれが解釈すればいい。そうあるべきだと思うよ」

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